Less Than JOURNAL

女には向かない職業

イヌ年に、ネコを想う。

近所のスーパーではポイント交換の品として、新年は干支にちなんで「イヌのぬいぐるみ」がもらえる。が、ひとつお訊きしたいのは、「イヌのカブリモノをかぶった“仕事を選ばないネコ”」を「イヌのぬいぐるみ」と呼んでよろしいのか?

そして、そんなイヌだかネコだかわからないぬいぐるみをまじまじと眺めながら、わたしはふと、あることに気づいたのである。
このネコがいろんなカブリモノをする理由は、ひょっとして「ネコをかぶる」という慣用句への反発心からなのか? たとえばネコ的には「ネコをかぶる」は差別用語だったりして。
「オレは革命を起こす。これからは“ネコかぶる”じゃねぇ、“ネコかぶる”だ!」
みたいな。
まぁ、だとしたら、それはそれで立派な志かもしれない。このネコが仕事を選ばず、イヌもかぶればタコ焼きもかぶり、あげく京成電鉄の車掌やら山内一豊の妻やら北島マヤまでかぶる理由が、もし「ネコをかぶる」時代を「ネコがかぶる」時代に変える革命のためだったとしたら……………………いや、やっぱし、どっちにしても意味ねーよ。

余談だが、このネコは海の向こうハワイでも営業活動に余念がなく“ハワイ限定アロハキテー”とゆーのも大人気である。で、最初は、せいぜいムームーを着てる程度の観光ネコだったのが、最近はすっかりロコ気分で小麦色に日焼けしてサーフィンしてたりする。が、ちょっと冷静に考えてみてほしい。ネコでしょ? その、つまり小麦色になってるのは肌ではなく毛だよ。いくらなんでも“小麦色に焼けたネコ”はヘン。焼けてるんじゃなくて、薄汚れてんじゃねーのか?