Less Than JOURNAL

女には向かない職業

ナサケハヒトノタメナラズ!

『ブレイブ ワン』(2007年 アメリカ=オーストラリア)

 この映画のジョディ・フォスター姐さんがやたら男前。うむ、男前は男前なのだが……なんかね、男前すぎてマイケル・J・フォックスに似とる! とか思いながら観てたら、しまった! やがてもっと似とるものに気づいてしまった。

 マイケル・ボルトン

 いかん。それはいかん。そいつぁいかんよ。あってはならねぇことだよ。

 ストーリーは痛快リベンジ・アクションと思いきや、ぐっとクールでヘヴィな沈痛サスペンス。想像していたのと違って、かなりダークなんだけど……おもしろい!

 ただし、マイケル・ボルトン
 と、なんとなく気持ちの焦点が(こちらの勝手な都合により)定まりきらないまま観ていたところ、物語中盤の、とある場面−−

 昔、『タクシー・ドライバー』でデ・ニーロが助けた女の子が大人になって、こんどは自分がデ・ニーロになりますた。

 というお話なのか!? と気づいた。その途端、かなりテンションあがった。
 たぶん『タクシー・ドライバー』に愛着がある人は、みんな気づくはず。
 で、『タクシー・ドライバー』に愛着がある人は、そこで泣くはず。

 ジョディが(ときどき)デ・ニーロに!
 彼女自身が制作総指揮。ってことは、そんなこと考えもしなかったとは言わせねぇ。
 その意図を知らせるためのエピソードとしか思えん、あれ(ネタばれ)は。
 ジョディの恩返し@マンハッタン。
 おにいねぇさん、粋だね。さすがだね。
 すげぇ!

 ひょっとしたら、近年、もっとも仕事を選ばない大物俳優と大評判のデ・ニーロさんへの「おめー、ちょっとおもいだせや、オレたちがガムシャラだったあの頃を」というにぃねぇさんからのメッセージかもしれんな、『仁義』の広能ばりの(深読み)。おぬしも漢よのぉ。 

ブレイブ ワン 特別版 [DVD]

ブレイブ ワン 特別版 [DVD]