Less Than JOURNAL

女には向かない職業

シカゴ/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース


4/20@東京国際フォーラム ホールA

 もう、帰り道もずっと心がホッカホカ。
 ああ、この日をどれだけ楽しみにしてきたことか。
 懐メロ上等! 最強極上懐メロ! バンドも客もお元気! もう、最高!

 チケット1万4千円は高い!と言う人がいたけど、それぞれ90分以上ずつみっちりやって単独コンサート2本分のボリューム。おまけに対バンならではのジョイントセッションのサービスもあり。外タレ価格としてはかなりお値打ちよ〜ん(^^)。

 国際フォーラムが超満員。
 しかも休憩挟んで3時間強、1階席は最初から最後まで総立ち。観客の年齢層が高いライブって、ふつうスキあらば着席しようとするものだが。もう、ずっと総立ち。大歓声。で、ふつうに英語で終始大合唱。さすが歌詞カード舐めまくるよーに熟読世代のオトナだ。スズメ百まで歌詞忘れず。

 先攻はヒューイ・ルイス&ザ・ニュース。
 いきなり♪ドドン、ドドン、ドドン……「ハート・オブ・ロックンロール」だ。
 出し惜しみなし。タワー・オブ・パワーじゃないけど、ホーンセクションつき。ザ・ニュースも結構メンバー変わってたけど、ま、いずれにせよ全員おっちゃんなので問題なし(見た目的にも)。ちょっと新曲(もはや新曲だか何だかわかんない、生まれた時から懐メロみたいないい曲)もやったりしつつ、ちゃんとアカペラ・コーナーの「ソー・マッチ・イン・ラブ」もあり。
 後攻はシカゴ。こっちも出し惜しみなし。ステージ両脇奥にチャンプリンさんとラムさん。あと、音楽的にというよりも、おそらく序列的な理由によりトロンボーンのパンコウさんが真ん中にいる(笑)。
 途中、ヒューイ・ルイスが出てきて「一体現実を把握している者はいるだろうか?」を思いっきし歌う。これ、実は、その前の自分達のステージ終盤、この曲をホーンセクションがワンフレーズだけ奏で、ヒューイさんが《ムフ、どうよ?》と得意げな顔をしていた。という、なかなか小粋な伏線があったのだ! で、続いては、わらわらとホーン含むザ・ニュースが全員出てきての「アイム・ア・マン」は圧巻。もう、超カッコいい。ヒューイ・ルイスの時にもシカゴのメンバーとのセッションがあったし、このテの対バンものにしてはこういうフレンドリーな交歓って珍しいのでは?
 で、シカゴの本編終了。アンコールはもちろん「長い夜」だよねッ! とワクワク待っていたら、唐突にぬのぶくろとらやすさんが登場。なんか金髪長身サングラスのお兄ちゃんが出てきたなー、と思ったら、突然ぬのぶくろさんの『新・仁義なき戦い』のテーマ曲(アメリカ的にはキル・ビルの曲)を演奏し始めるので「やっぱりそーなんだー!」とビックリした。しかも、シカゴさんも一緒にちゃんと合奏しているぜ。「仁義」を! なんなんだー。何かいきさつがあるのかもしれないが、それを知らない者には唐突すぎる。いきなり仁義、つーかキル・ビルだもの。そして、続いてはお待ちかねの「長い夜」。ここでも、ぬのぶくろさん参加。ぎんぎんギターバトル。日本のギタリストで、こんな風に堂々と楽しくいきなりシカゴさんとセッションできるのはやっぱ彼しかいないわけで。さすがだなーと思ったし。おっさんの中では、さすがの大御所も若々しいオニーチャンって感じで、しかもリスペクトいっぱいなのがこちらにも伝わってきて。好感度は高く、よかったけど。それにしても、どう考えても唐突。まぁ、見た目とギターでわかるとはいえ……最後にやっと「ホッテイサーン」と(だけ)紹介されたけど、「誰? 新メンバー?(←シカゴならあり得る)」と今なお思っている人もいるはずだ*1

 会場に着いた時、いっぱいシカゴTシャツ売ってたんだけど「いやー、さすがにシカゴTはないだろう」とか「ユニクロ980円なら買う」とか思ってたのに、終わったらモーレツにTシャツ欲しくなった。が、当日販売分はすでにソールド・アウト。中高年のロックTとしてのシカゴT……ありだなー。うーん。欲しかった。


●ここで本日のおすすめ映画。ヒューイ・ルイスが唐突にメインキャストを演じた映画『デュエット』。ヒューイさんはプロのカラオケ道場破り(はまり役すぎる・笑)。彼の娘がグゥイネス・パルトロウ。そして監督は、今は亡きグゥイネスのパパ。ヒューイさん、歌う歌う。そしてグウィネスも歌う。最後は泣ける。わたしのオールタイム音楽映画の上位ランクインの傑作。それにしても、記念すべき最初で最後の「娘・主演=父・監督」による共演映画作品だとゆーのに、どーしてこんなバカテーマを思いついたんだ?……という三國親子の「美味しんぼ」ばりのミステリアスな唐突感も含めて最高。

デュエット [DVD]

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*1:ご本人もぜんっぜん名乗らないし。ホッテイサンさんというガイジンかな、みたいな