Less Than JOURNAL

女には向かない職業

そういえば。

ポール・アンカさんは、今回は来日50周年記念コンサートだったそうだ。
つまり、当時、人気出てすーぐにやってきたということだ。すごい。
50年前といえば、コマ劇場ができた年?

ところで、ポール・アンカさんのコンサートを見たらまた見たくなった。

たしか前にも紹介したけど。

スコーピオン [DVD]

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エルビスそっくりさん大会がおこなわれているベガスのホテルを、強盗団がエルビスのカッコして襲撃するという……。

ま、当然、ジャンルとしてはバカ映画。もちろんラジー賞ノミネートされまくり。

だが、ケビン・コスナーカート・ラッセルクリスチャン・スレーター、デヴィッド・アークエットにコートニー・コックス、おまけにアイス-Tと超豪華キャスト。

で、ふつうのバカ映画と思ったら大間違い。

この映画は本当にすごい。

あまりにもヘンで、何年かに一度は見返したくなる数少ない映画。

ものすごくアメリカ的ピカレスク物語。
いわゆる、アメリカ人のいうところの「神話的」*1世界ですよ。

で、ちょっと前に『ノー・カントリー』を見た時、この映画のことを思い出した。

ああ、『スコーピオン』はバカ映画版『ノー・カントリー』じゃねぇか。

でも逆にゆえば、『ノー・カントリー』がインテリ版『スコーピオン』なのかっていうとそういうわけではなくて。『スコーピオン』も、ものすごいインテリの人が頭おかしくなって作った映画みたいな感じがするんですわ。

で、本日の本題。

この映画、なんとゆっても友情出演か特別出演で一瞬出てくるポール・アンカさんが最高。

ヤツらが襲撃するホテルの支配人役。

もう、超こわい。超ワルそう。

一瞬出てくるだけでもう、リアル『オーシャンズ11』の世界を醸し出す。
しかも、その背後にホテル内BGMとして「君こそわが運命」がちいさーく流れてるのが超ウケる。

この場面を見ただけで、この監督が「襲撃@エルビスそっくりさん大会」という設定を単にバカバカしさだけで作ったのではなくて、エルビスとかロックンロールとかベガスとかアンカとか……いろんなものを含めての「アメリカ」というもの、すなわち「神話」をなぞっているとゆーことがわかる。

と、今年は「ノー・カントリー」とか「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を見るたびに、この映画を思い出していろいろとマジメに深読みを楽しんでいたのだが。

とりあえず、今はアンカさんの場面だけ100回くらい見て感動したい。

もう、本当に悪そうでカッコいい。知らない人が見たら、ホンモノの支配人と思うかも。


追記。
今、確か何かどっかで書いたはず……と、検索してみたらやっぱしブログだった。2006年5月20日で紹介していましたね、『スコーピオン』。しかも、その時もポール・アンカ来日公演が中止になった腹いせにこの映画を紹介していた(笑)。こないだ公演中止が去年と書きましたが、すみません、まちがいです。もう一昨年になるのかぁ。しかし、まぁ、アンカさんで『スコーピオン』思い出すところも、その時に映画について書いていたこともほぼ同じだった(笑)。

*1:グリール・マーカスも、なにかっつーと「神話」って言いますよな。アメリカ人の言う「神話」って、なかなかむつかしいものがある。わかったつもりでいても、どんどんわからなくなる。今年のわたくしの重要な研究テーマ