Less Than JOURNAL

女には向かない職業

今度のフェレルはバスケだよ

●『俺たちダンクシューター』(2008)


 ウィル・フェレル主演の、お得意のスポ根路線。今回はバスケットボール。舞台は70年代!
 かつて「LOVE ME SEXY」という一発ヒットを放った歌手(ウィル・フェレル)がオーナー兼プレーヤーとして全権をふるう、ミシガンのバスケット・チーム“フリント・トロピックス”はボロボロの激弱チーム。所属する弱小リーグABAは、上位4チームだけNBAに吸収して解体することになったのでトロピックスは奮起して……という、まぁ、シモネタありーの、ゲロネタありーの、お色気ありーの、ちょっと涙もありーの、お約束だらけのテッパンバカ映画なわけですが。

 アンドレ2000もとい3000、俳優としてはアンドレ・ベンジャミンだっけ? も、バカ兼男気あふれるチーム唯一のスタァ役……という、オレは田舎のプレスリー状態のイイ味出して大活躍。

 で、まぁ、映画は想像どおりの感じなんですが(笑)。
 音楽がおもしろい。『ウォーク・ハード』みたいにマニアックに凝ってるわけではないけど、それでもやっぱりさすがシャレが効いててナイスなセンス。

 いきなりオープニングで、一発屋歌手とゆー設定のウィル・フェレルのヒット曲「LOVE ME SEXY」が流れるんですが。この段階でもう、大爆笑。
 よく出来すぎてるんです。
 よーするに、バリー・ホワイトなんです(笑)。
 で、よくできてる曲だなーと思ったら。それもそのはず……ナイル・ロジャース先生の作&プロデュースではありませんかッ! せ、先生、最近はこんなオモロ仕事もやっておられるのですかぁぁぁ(しみじみ)。もはやラヴソウル界のキダ・タローか。

 で、あとは70年代バスケ映画っつーことで、かなりアフロ・フレイバー濃い感じで。BGMにはラヴェルとかブラジョンとか、ちょっとブラック・ムーヴィー系な雰囲気のソウル・ディスコものがガンガンと流れるんですが。要所要所で、ピリッとシャレの効いた選曲があったりして。そういうクスグリがバカバカしくもセンスよくてステキ。
 バスケの試合中、くっだらないことから両チームが大乱闘になるシーンでWARの「Why Can't We Be Friends」(←なんで友達になれないんだ?)が流れるところは、おバカ映画の真骨頂って感じで笑っちゃうし。トロピックスの選手ががんがんジャンプしてシュートしまくり大逆転を狙うクライマックス場面でスライの「I Want To Take You Higher」が流れたりするところは、けっこうカッコよくて盛り上がったりして。
 あと、チーム・バスで移動中、車内で流れるランディ・ニューマンの「ショート・ピープル」を選手たちが無邪気に合唱している……つまり、背の高い人たちが「ちっさい人は生きてる意味がない〜」と歌っているブラック・ジョークもあったりして。なんか、やっぱ、このあたりの人たちは音楽の使い方もうまいよねー。フツーにアリモノの曲なのに、実にうまく使っていたり。シャレで使うための曲も、ガチでヒット曲になりそーなクオリティで作っちゃうし。あんまり知らないからかもしれないけど、日本映画で「センスのいいサントラ」と評判のものはいちお興味をもって聞いてみるんですが、なんか、ボクちゃんセンスいいでしょう的な自意識が襲いかかってくるようなものが多くて(笑)。フェイクで歌謡曲とか作るのはよくあるけど、デフォルメ効きすぎて今ひとつ笑えないものばっかの気がするし。これが架空の世界では大ヒット曲なのだという設定に説得力がある曲とか、「そうきたか」とクスッと笑って膝を叩くような絶妙センスのものってあまり出会えない。



 ところで。あの、ぜんっぜん関係ない話題なんですけどね。今日、ちょっと盛り上がったこと。
 あの、●ムロ夫妻が身を寄せている、つか蟄居?しているのがウチの近所らしい。と、最近もっぱら町じゅうの噂(by ルイジアナ・ママ)。ご近所さんでは目撃証言多数。まぁ、なんつーか、ホントにローカルな、ザッツ・スモール・タウン・トーク! みたいな。この町では滅多にない、旬なセレブ情報っつーことで(笑)盛り上がっております。で、今日、遂にわたくしもすれ違った気がする。すれ違いざま、「あれ?」みたいな。ま、だからといって、別にどーでもいいんですけどね。違うかもしんないし。ただ、これでまた井戸端のホットな話題に参加できるので、ちょっとうれしかったでーす。