Less Than JOURNAL

女には向かない職業

手紙でも書こう。

 2月に発売が予定されているポール・マッカートニーの新作アルバム。いよいよタイトル、収録曲やアートワークなどなど詳細も発表されて盛り上がってまいりました。

Kisses On The Bottom

01. I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
02. Home (When Shadows Fall)
03. It’s Only A Paper Moon
04. More I Cannot Wish You
05. The Glory Of Love
06. We Three (My Echo, My Shadow And Me)
07. Ac-Cent-Tchu-Ate The Positive 
08. My Valentine
09. Always
10. My Very Good Friend The Milkman
11. Bye Bye Blackbird
12. Get Yourself Another Fool
13. The Inch Worm
14. Only Our Hearts

 かねて予告されていたように、今回はポール・マッカートニー版“グレイト・アメリカン・ソングブック”。1920〜50年代初めに書かれた名曲カヴァー集だ。ポールが子供の頃に父が弾くピアノで初めて聞いた曲も含まれているという。加えて、ポール自身の新曲も2曲ある。
 シナトラとか、エラとかサラとか、あとはファッツ・ウォーラーとかサッチモとか、これまでジャズやR&Bの人たちも歌ってきた曲ばかりだけど。ただ、最近流行の、いわゆるロッド・スチュアート的な“アメリカン・スタンダード集”とはちょっと匂いが違うというか。選曲はかなり変化球モノというか、カヴァーとしてはたぶんけっこう珍しい曲も入っている。
 これまでもポールは、自らのルーツであるロックンロール黎明期の名曲を数々カヴァーしてきた。が、今回はそれよりさらに遡った、ロックンロール以前のルーツ・ミュージック集ということになる。

 あ。もしかしたら、これは、そうか、あれなのかもしれない!?

 あれですよ。

 ジョンの『ロックン・ロール』の続編というか、成熟版というか。

 70歳になるポールからの、ジョンへの手紙のような。

 そんなアルバムかもしれない。

 ポールによれば、ビートルズ結成以前にジョンと一緒に聴いていたような曲もあるらしい。75年のジョン・レノンは『ロックン・ロール』を作りながら自らの原点を見つめ直していた。でも、もし彼が70歳まで生きていたら……さらに深い原点、このアルバムに収録されているようなロックンロール以前の音楽にまで遡ってみたかもしれない。もしかしたら、ポールと一緒にそういう曲を演ることだってあったかもしれない。
 
 なぁんて、勝手にどんどん妄想を広げておりますが。
 そんな想いもどこかにこめられたアルバムだとしたら、それは素敵なことだな。と思う。

 そして、アルバム・タイトルの『Kisses On The Bottom』。

 これは1曲目に収録されているファッツ・ウォーラー「I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter」の歌詞の一節から引用されている。
 この曲、日本ではヒックスヴィルによる素晴しい訳詞カヴァー「手紙でも書こう」でも知られている。ポールはどんな風に歌うんだろうか。ポールにも、とてもよく似合う曲のような気がする。しかし、これを1曲めに持ってくるとはさすがポールだな。たぶん、いかにもポールらしい感じになっているんだろうな。

Kisses on the Bottom

 “Kisses On The Bottom”とは、親しい人への手紙の最後に書き添えられている“×××”=たくさんのキッスの意味なのだそう。

 この曲はタイトルどおり、ひとりで自分に手紙を書いている歌なのだ。ちょっぴりセンチでユーモラスなラブ・ソング。好きな人が手紙をくれないから、それがまるで大好きな人が自分に宛てた手紙であるかのように空想しながらラブ・レターを書いている、という歌。で、その手紙の最後には“Kisses On The Bottom”というわけ。
 そして収録曲と共に解禁となったアルバム・ジャケットにも、ちゃぁんと“×××”が!
 これは私たちファンへのキッス……と思いたいところですが、どうせ新妻ナンシーさんにキッスキッスキッスなんでしょう、どうせそうなんでしょう(*^_^*)。よっ、新婚さん!

 ところで、私と同じく公式ニュースレターの配信登録をされている方は多いかと思うんですが。メール来るたびにドキッとしませんか? メール送信者の名前。


《from PAUL McCARTNEY


 というのが来るでしょ。単なるお知らせメールとわかっていても、なんかワクワクしてしまいます。これぞまさに「I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter」状態。わかっちゃいるけど、ニュースレターが来るたびに「あ、ポールさんからお手紙が来た!」と、あえて声に出してシアワセになっている私です。

↓こーゆー感じで。

 今回のメールはアルバムの詳細と、公式サイトでの予約も始まりましたよ!のお知らせ。

 ポール卿が、アップルのコンピュータに向かって「みなさんこんにちは、ボクのニューアルバムが出ますよ。買ってね!今すぐ予約汁!」と老眼鏡かけて人差し指2本でパコパコ打ってたりして。きゃー、ギザカワユス! とか想像したら最後……。

 ポチ。

 ええ。押さずにはいられませんでした。

 ハイレゾのデジタル・ダウンロード版、予約完了。

 たぶんCDのデラックス・エディションもダウンロードも同じではないかと思うんですけれど、またまたいろいろ豪華なオマケがついてますよー。

 2曲のボーナス・トラック「Baby's Request」と「My One And Only Love」、なにやらエクスクルーシブ・ライブ・ショウのダウンロード、ライナーノーツにポストカード……。現時点、これが公式サイト特典なのかよくわからないんですが。つか、どこかに説明が書かれていたかもしれないんですが、とにかくオレはもうポチっちゃいましたんで未確認です(笑)。

 本来ならば、ひとりカカクドットコムと呼ばれるわたくし。送料やらポイント加算やら配達の速さなど、どこでどう買うのがいちばんお得かを徹底的に検討してから慎重にお買い物をするのですがね。

 ポールから手紙来ちゃったら、よそで買うわけにいかないし。

 と、自らの想像力を駆使してだまされてみるなう。

 ちなみに、CD版の予約はどうかわからないけど、なんと、特典としてアルバムに収録されるオリジナル新曲「My Valentine」のハイレゾ音源をくれましたヽ( ´ ▽ ` )ノ。

 さすが英国貴族は気前がいい。ありがとう、のぶれすおぶりーじゅ!

 この曲は新妻ナンシーさんに捧げられた曲。
 おそらく「美STORY」誌も目をつけているに違いない、セレブ美魔女のナンシーさん。そんな大人の女性に捧げられたとあって、めちゃめちゃアダルティでマチュアな美曲。たぶんエリック・クラプトンが弾いているガット・ギターが、さりげなく超絶テク爆発で素敵すぎます。

 いやぁ、本当にアルバム楽しみ。
 て、それだけの「直前予想」記事でした。スミマセン。

Kisses on the Bottom

Kisses on the Bottom

※追記。
ご指摘いただいて一文を削除しました。最初、DVD『THE LOVE WE MAKE』の中でポールが歌っている「バイ・バイ・ブラックバード」……と書いてしまったのですが「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の間違いでした。ありがとうございます。わかっていたはずなのに、なんかものすごく勝手に思い込んでました。恥ずかしい(*/∇\*)。