Less Than JOURNAL

女には向かない職業

いいですよー。

「いいですよー」
オリムピック中継とかで、元選手とかコーチの解説者がこのフレーズを連発するようになったのは、いつからなのだろうか?
「いいですよー」
いったい誰に向かって言っているのか。それがいちばんのナゾである。
選手に? 聞き手のアナウンサーに? お茶の間のシロウトたちに?
ふつう、プロ野球の中継とかでは「今日はタマが走ってますねー」とか「タイミングは合ってますよ」みたいなことは言っても、さすがに漠然と「いいですよー」を連発するのは聞いたことがないもんね。
まぁ、冷静になってみればヘンなフレーズなんだけど「いいですよー」って言われると、お茶の間のシロウトとしては「ちょっとスタートが遅かったよーな気がするが、プロが言ってるんだからいいのかな。うん、きっといいに違いない」と、妙な安心感をもって競技を見られるよーになるという効果があることは事実である。あと、もうひとつは、解説者の隣で「早い!」とか「行けー!」とか、名前を連呼するとか、競技場の臨場感を表現するのに絶叫という手法しか使えないアナウンサーが、この「いいですよー」との対比によりグンとシロートっぽく見えるという効果もあるな。よくも悪くも。
「いいですよー……いいですよー……いいですよー」
これを抑揚、強弱、陰陽、軽重etc.をちょっとずつ変えて連呼してみると、誰でもカンタンにそれっぽい雰囲気になる。なので、オリムピック後になれば、夜の街でも頻繁に使われるのであろう。合コンや会社の飲み会、小料理屋は言うに及ばず。たぶん、エロ風俗とかでもねー……ああ、それって想像しただけでめちゃめちゃ下品だorz。
でも、この「いいですよー」。なぜだかムラニシ監督の「ナイスですねー」と近いものを感じてしまうのは、わたしの想像力が過剰なせいでしょうか。

あ。ひょっとして。選手も観客も興奮しまくりの白熱した状況と、冷静な「いいですよー」との激しいギャップ。それが「ナイスですねー」を連想させるのか!? ひょっとして!!