Less Than JOURNAL

女には向かない職業

目方でドン!

 自分は「旅行」が好きなのだと、長らく思っていた。が、ある時、よくよく考えてみると旅行よりも荷造りが好きだったのだと気づいた。わたしの荷造りのコンセプトは「非日常への素敵な逃☆避☆行」とかではなく、ごちゃごちゃモノと情報にあふれた日常をいかにスーツケース一個の容量内で過不足なく再現するか……という究極のダウンサイジングへの挑戦っつーことかもしれない←壮大に言えば。ふだんパソコンでやってることをどれだけネットブックブラックベリーで代用できるか、と同じ発想だな。スーツケースに、旅行日数ピッタリに必要なものだけピシッと綺麗に詰め込んだ瞬間の達成感たるや。
 でも、せっかく持っていったのに使わなかったものがあったり、いざとゆー時に「あっ!あれを持ってくれば」と後悔したりしたら負けなのである。何に負けるのか? もちろん、自分にだよん。

 そんなわけで、旅行グッズ大好き。
 特に「便利」がつく旅行グッズ大大大好き。とりわけ旅に出る予定がなくても、なんか旅行用品コーナーとかでグズグズするのが趣味。小分け袋とか、仕切りのついたケースとか、たたむと小さくなるものとか大好き。かわいいジップロックとか見つけると興奮で脈がはやくなる。で、結果、わたしの日用品には旅でもないのに旅グッズ含有率が高い。


 なぜなら、人生そのものが「旅」であるのだから。


 とか、さながら男のこだわりマガジン風にカッコよく解釈していただければ幸いだ。

 幸いだ。


 が、


 ま、ひらたく言えば、「キミの持ち物ってなんとなくホームレスっぽいよね」という解釈(by夫)がいちばん正確かもしれんな(涙)。なぜにティーバックのほうじ茶までジップロックに入れて携帯するのか理由を教えろと言われても、教えられない。ポケット読書灯を、いったいどこで使うのかも教えられない。最近のお気に入りは、ペン型のアメリカ洗剤“Tide”。カッコいいんだぜ。洗濯までできちゃうぜ。洗濯は家でしろ、と言わないで。こだわりホームレス、て呼んでちょうだい。

 そんなわたしはもちろん、海外でも旅行グッズ探しに余念がない。で、実際に行ったことはないのだが、ニューヨークのおしゃれエリアにあるおしゃれショップとして名高いおしゃれ旅グッズ店《Flight001》のウェブサイトがお気に入りでしばしばウットリ眺めているのだが。スーツケースを含めて、日本製の旅行グッズの取り扱いがとても多い。ロフトとかでふつうに売ってるものが、なんとマーベラスなミニミニトラベルセット!とか褒められてるのを見ると、ちょっとエッヘンと思う。やっぱ、日本人は旅行グッズ好きな民族なんだ。マジで。小分けを愛する国民性なんだってば。

 デパートの旅行グッズ売り場に行くと「こんなもの、本当に必要なのか?」とか「これのどこが便利なんだ?」とか思うものまで、とりあえずなんでもある。でも、正直、近年さすがにグッズ探しも飽きた。つか、気が済んだ。便利グッズに究極なし、が、オレの結論である(意味不明)。小分け系に関しては、今んところ無印がいちばん安くて軽くて機能的でかわいいとの結論に達したところだし。

 が、ひとつだけずーっと探していたものがある。


 携帯はかり。


 なんじゃそれ、と思う人もいるとは思いますが。たぶん、わたしだけでなく、絶対欲しいと思っている人はいると思うんですよ。旅行グッズが病的に好きなワタシが言うんだからまちがいない。「あると便利」の自分内第一位。


 前述のように、わたし、きっちり荷造りするの好きなのですよ。で、出かける時はもう、それはそれはパーフェクトなスーツケースなんですよ。みっちりと。でも、ふつう、旅先で買い物しますよね。まぁ、仕事で行って超忙しいとか、無人島とか戦地に行くとかでない限り、なんだかんだ何か買いますよね。ほら、日本人はオミヤゲ好きだし。アフリカでさえも「オミヤゲ、オミヤゲ、ゾウサン、ライオンサン、カワイイヨ」とかゆわれて、ついついデコボコな木彫りとか買っちゃったしなー(笑)。で、そーすると、荷物増えますよね。でも、すでにみっちり詰まってるスーツケースには入りませんよね。でも、入らないと帰れないからギューギュー詰めますよね。そすると、小さなスーツケースが岩みたいに重たくなったりしますよね。で、スーツケース一個の重さは行き先によって制限がありますよね。空港のチェックインカウンタでドキドキしながら「目方でドン!」みたいな。で、案の定「アウト!」みたいな。


 ま、行く前にそのことを考えて荷造りしろって話なんですけど。わたし、バカだからいつもいつも忘れちゃうんですよ。



 特に近年は、本当に重量制限がキビしくて。なんかもう、せっかく荷造りしたのに公衆の面前でシクシク泣きながらスーツケース開けて荷物をふたつにわけたり、手荷物にしたりしなければならない超はずかしい罰ゲームになったり(もちろん、わたしが悪いんですけど)、あるいはもうめんどくさいからと、くっだらない本だのCDだのにまで別途交通費をお支払いして飛行機に乗せてあげるはめになったり。なので、まぁ、だいたい帰国する前日あたりから「もしかして、これはダメかもしれん! ガーン」と不安になったりすることが多いわけです。

 で、以前に《Flight001》のページで見つけたハンディタイプのデジタルはかりに目からウロコだったのです。これだ! オレが今、旅の相棒としていちばん必要としているのはコイツしかいない! と。でも、これがなかなか見つからない。旅行グッズ売り場に置いたら、絶対に売れると思うのに。

 そして、そんなことすっかり忘れていた今日この頃。先週末、まったく関係ないモノを探して楽天市場で工具系のショップとか見ていた時、ふと、思い出してはかりを探してみたら……!



 ついに見つけた。糖度計などの計器を扱う専門店で、こんなカワイイのを。いやー、探してみるものですね。
 20g単位で40kgまで計れる。ほかにも5g単位で10キロまで、10g単位で20キロまで計れるタイプがある。もう、これは本当にめちゃめちゃかわいい。そして、お値段も2000円ちょっと。しかも、精度もよい様子。なんか、旅先でなくても、何でも計りたくなっちゃう。中国製のようなのですが、FISH SCALEとある。なるほど、釣り用? もしかして釣り人には常識グッズ!? だとしたら、釣り具店に行ったらすぐに見つかったのかな。世の中、わからないことだらけ(大袈裟)。

 なにはともあれ、めでたしめでたし。
 今、アマゾンと楽天があればたいていのものが買えちゃいますね。便利な世の中。てゆーか、ここんとこずっと机にへばりついていたので、ちょっと休んではネットであれこれ興味半分で検索しては、いろいろ見つけてしまい、ついついポチポチしてしまいました。危険だ。まさか、はかりまで見つかるとは思わなかったー。漫画家さんとか小説家さんに「ネットショッピングの鬼」が多いのが、わかるよーな気がする。

 いやー、あまりに嬉しかったので書いてみた。
 あと、ひさびさにキモコアラを撮って載せてみたかったの。