Less Than JOURNAL

女には向かない職業

儀式。

 大晦日は、日記とスケジュール帳の引き継ぎセレモニーを粛々と。





 スマイソンの手帳は、まぁ、1ポンド250円超の頃に比べれば安くなったとはいえ……。
やっぱり、買う瞬間に「えいっ」と声を出さないと財布が開かないくらいのお値段です。が。使ってみると、やっぱりそれだけの贅沢をしても惜しくないほど好きだなぁと思う。何より、1年使い終える頃には革の表紙の色あいと柔らかさが何ともいい具合になってくるところが気に入っている。毎年、誘惑に負けず同じ色を使い続けていくのも、その比較が楽しいから。ぼろぼろになるまで使いつぶす、というのではなく「いい具合」になったところで交替……みたいな“続いていく”感覚がいい。

 赤い表紙の日記帳は、来年で3年目。

 正確には、再開して3冊目になる。同じタイプの日記を初めて手にしたのは90年代初め、はじめて行ったロンドンで買った。
 数年前、大掃除をしていた時に最初の日記が出てきた。ほぼ20年ぶりに読み返してみたら、これが、もう、読んでいるだけで自殺したくなるほど悲惨でびっくり(笑)。記憶の中では当時もそれなりに充実した毎日を過ごしていたはずなのに、心のインプット端子が接触不良だったのか何なのか、いったい何が楽しくて生きていたのかさっぱりわからない日記だった。90年代のスマイソンはまだ堅牢な王室御用達文房具店然としたたたずまいで、手帳の作りや表紙の素材も今とは微妙に違っていたりして、その古い日記帳もBBGマニアとしてはコレクタブル・アイテムではあるのだが。中身を読んだとたん、「きゃー!!」と叫んでガムテでぐるぐる巻きにして捨てた。まぁ、あれだ、冷蔵庫の中から3年ぶりに発掘されたタッパウェアに入った茶色い何かを見つけた時の気持ちとかを想像してください。
 そんなことがあって、ある意味、スマイソンの日記帳でトラウマ克服というかリターンマッチというか日記療法というか、何だかわからないけど、とにかくもう一度同じものを手に入れて、今度こそまっとうな日記を書いてやるぞというのが再開のきっかけだった。

 そして今年も、ぱらぱらと日記を読み返している。まぁ、あいかわらず、それなりに楽しく、時にはちょびっと悲惨だったけど、それも含めてよい1年であった。達成感。しかし、そもそも子供時代から日記をつけるのは苦手で、続いた試しはなかったことを思えば2年も続いていることじたいがミラクルかもしれない。日記というのは、未来の自分を悲しませるような生活をしてはいけない……という戒めのための、メモ帳でありさえすれば充分なのだと思う。これは、発掘された日記のド悲惨ぶりに教わった唯一のことである。

 マイケル・ティルソン・トーマス/サンフランシスコ響やビーチボーイズの来日公演などなど、思い出すだけで向こう2年はニマニマしてしまいそうなコンサートも多かったし。原稿やブログにしたためる機会はあまりなかったけれど、ここ数年でいちばんたくさんの音楽を聴くことができた。感謝。この歳になって、また音楽が好きになってきた。
 自分と向き合うことと音楽を聴くことは同じなのだと、最近ようやくわかってきたせいかもしれない。人生、死ぬまで勉強ね。昔、徳武弘文さんが「人生とは修学旅行のようなもの」とおっしゃっていたことを思い出す。せんぱい、その通りっすね(T_T)。

 ところで、話は変わりますが、わたくし2日前にMacBook Airを買いました。
 ドスブイ時代に初めてパソコンを手に入れて以来、iPhoneiPadは別として初めてのアポーです。夏頃からだましだまし冷やし冷やし(笑)使ってきたLet's noteがいよいよヤバくなってきて、本当はまたLet'sが欲しかったんですが……た、高い。あれは会社に買ってもらうものであって、個人でばんばん買い換えるものではないのだろうか。で、まぁ、そろそろ将来を見据えて宗旨替えの時期かも……とは思っていたので、勢いでMacデビューしてしまいました。さすがに触って1日半くらいは慣れなくてものすごいストレスでしたが、3日目の今日はかなりよい感じになってきました。で、ちょっと練習をかねてブログも書いてみたりして。へへ。とにかく正月明けには書かねばならぬ原稿があるので焦っていたんですが、このぶんだと何とかなりそうです(o゜▽゜)o

 それではみなさま、どうぞよい年をお迎えください!!

 今年の春、興奮のあまりデビューアルバム発売前なのに「来年のグラミーも見えてきた!!」と、勢いあまってフライング記事まで書いてしまったアラバマ・シェイクス。その後、日本では今ひとつ様子のわからない本国での盛り上がりはどうなんだろう……と気になっていたのですが。来年のグラミー、新人賞含む3部門にノミネートされたようです!! よかった!! オオカミおばさんにならなくてすんだ(笑)。これが年末のいちばんうれしいニュースだったかな。1月の来日公演も、とっても楽しみです。ということで、今年ラストのCDはコレにしようと思っています(^_-)-☆

Boys & Girls

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