Less Than JOURNAL

女には向かない職業

バカンスはいつも雨

杉真理のライブは雨でも憂鬱じゃない。この曲↑のおかげで。
昨日は、杉真理さんの“スギのカルパッチョを召し上がれ!”@原宿BLUE JAY WAY。久しぶりのソロ名義ライブ。で、今年はプレ30周年。ということで、いきなり新曲から始まって、懐かしい曲や珍しい曲もおりまぜつつ、あっとゆー間の2時間余。今年になって松尾清憲さんと一緒に作った曲がすでに5〜6曲はあるらしい(!)。この日もウルトラ美しいラブ・ソングが披露されましたが、作った曲はこっそりふたりだけのヒミツにせずにどんどんCDにしてくれないかなぁ♪
ふと考えてみれば、杉さんとお会いしてからもう15年以上は経っている。お父さんの身長を追い越してしまったというハンサムな息子さんを紹介されてビックリ。彼が生まれる時に曲を作った話を聞かせてもらったのがつい最近のことのように思っていたのに……歳月の流れの早さを今さらながらしみじみ痛感。でも、時間の経過を感じないのは、あまりにも杉さんが変わらないからかもしれない。ギターを抱えて楽しそうに歌っている杉さんは、ホントにぜんっぜん変わらない。せつなさも、チャーミングさも。カワイイとかゆったら失礼なんですが(笑)、あんなにもダッフルコートが似合うカワイイ50ン歳……ずぇったい反則だと思うッ(^_^;)。
いろんなミュージシャンがいて、いろんな考え方があって、いろんなやり方があって……何が正解、とは誰にも決められないこと。だけどわたしが何よりも魅かれるのはやっぱし、その音楽と、それを作る人とが互いに祝福しあっているような、尊敬しあっているような音楽だ。こんなことを偉そうに言える立場にはないけど……ただ、最近、いくら才能に溢れていても自らの音楽を“道具”のようにしかとらえていない人を目の当たりにすると悲しくなる。音楽を大切にしてないってことは、結局のところファンのこともホントは大切にしてないってことじゃないかと感じる。だから杉さんの音楽に対する向かい合い方とゆーものが大好きだ。どんどん新しい人たちと出会って一緒にモノを作り、活動の形態も柔軟に変えてゆくし、音楽作りについても常に貪欲に新境地をめざしているけれど、好きなものはぜんっぜん変わっていない。新曲のワンフレーズめを聞いただけで、あああああーッ杉真理だぁぁぁぁ! とめちゃめちゃ嬉しくなるし。杉さんも杉さんで、そうやって彼の音楽に狂喜乱舞する人たちを喜ばせることがホントに嬉しそうだ。
杉さんもそうだし、こないだの佐野さんもそうだし、先週のシネマもムーンライダーズもそうだし……その音楽だけでなく、音楽との向かい合い方を教えてくれるようなミュージシャンの作品と十代の頃に出会えたことは、自分にとって何よりの幸運だなと思う。もし、今の時代に自分が十代だったら何を聞いていたんだろう。もちろん、最近の音楽でも好きなものはたくさんある。だけどそれはやっぱし、十代の頃にできあがった基礎があったからこそ好きになった音楽がほとんどだと思うし。何の土台も持たない脳ミソで、今の音楽シーンに“デビュー”したとしたら、こんな風に10年20年30年と連れ添う音楽に出会えたのかな……想像がつかないな。
ちょうど1週間前には、シネマ25年ぶりの再結成ライブがあった。で、先週は客席に杉さんがいて、今日の客席には松尾さんが。この1週間、夢のポップス極楽浄土に生きているような気分だわ♪