Less Than JOURNAL

女には向かない職業

穴があったら埋まりたい

もはや、我が国の首相が何処で何をしようとも興味がない。あきらめている。
が、我々ロックンロール・ファンの誇りまで踏みにじるのはやめれ。

プレスリーのまねをして踊る小泉首相

6月30日、グレースランドにて繰り広げられた珍事を報じるニュースの写真には、そんな見出しがついていた……orz*1

大統領夫妻と共に、エアフォースワンでワシントンDCから一路メンフィスへと飛んだ我が国の首相。おめあては、大統領が自ら案内役をつとめるグレースランド観光。
多くのロックンロール・ファンにとっては、たとえ当地を訪れたことがない人でも写真などでおなじみのグレースランド。その邸内をめぐるご一行の様子がテレビのニュースで流れた。
そして、かのジャングル・ルームにて。大統領夫妻と、日本のプライムミニスタァの接待だからと呼び出しをくらったプリシラとリサ・マリーを前にして、エルヴィスのサングラスをかけて「♪グローリグローリ・は・れ・るぅぅぅや」と、全然わかってないくせにモノマネしたがる三流芸能人のごときジェスチャーで歌い出す首相。
おちょくっとんのか?
皮肉なことに、この時ほど「この人が自分たちの国を代表している」ということを実感したことはないし。この時ほど「日本人であることが恥ずかしい」と思ったことはない。1956年以来、こんな恥ずかしいエルヴィス・ファンが地球上にいたでしょうか。ねぇ。
かたわらで薄ら笑いを浮かべる大統領夫妻とプレスリー母娘の表情を見ていたら、たとえば、わたくしが「これをみっつーかうのがわたしですが、いくらがわたしですかー?」と尋ねても「ひゃくどるになります、お客様。毎度ありがとうございます」と辛抱強く気どった笑顔で慇懃に答えてくれるホノルルのデパートの店員を思い出したりなんかして。ああ、悲しい。
ロックを踊る宇宙人のほうが、5万倍はステキである。

そもそも、なんで首相をグレースランドに連れてくコトになったのかという経緯は知らない。まぁ、大統領が首相を喜ばせたいという美しき友情の証、みたいな演出なんだろうなぁ……とは思っていた。が、こないだニュースで、大統領がどっかのスピーチでそのことについて話している映像を初めてみた。

ブ「わたしは日本の小泉首相グレースランドにご案内しようと思います」

聴衆→ヾ(@^▽^@)ノ ヾ(@^▽^@)ノヾ(@^▽^@)ノわはは

ブ「なぜなら、首相はエルヴィスを愛しているからです」

聴衆→ヾ(@^▽^@)ノヾ(@^▽^@)ノヾ(@^▽^@)ノわはは

ブ「その彼をお連れするのに、グレースランドほどふさわしい場所はないでしょう」

聴衆→ヾ(@^▽^@)ノヾ(@^▽^@)ノヾ(@^▽^@)ノわはは

要点をまとめると、そのような内容でした。
なんだぁ、やっぱしギャグにされてんじゃんかよー。
もう、会場はドッカンドッカンゆってるしよー。ブッシュも「ウケてるウケてるー」って瞳キラキラさせてゴキゲンだしよー。
もうやんなっちゃいました。

さて。誰もがご存知のことですが。日本からも、毎日のように多くのロックンロール・ファンがグレースランドを訪れている。「聖地」という呼ばれ方については、ちょっと偶像崇拝っぽくなる傾向は好きでないので今ひとつ親しみがわかないのだが。ただ、それでも、グレースランドはロックンロール・ファンにとってのホワイトハウス的な存在であることはまちがいないわけで。
これからも多くの日本人がグレースランドを訪れることでしょう。
で。今後、かの地を訪れる、ロックンロールを愛する善良なる日本国民たちは、多くのアメリカ人たちから、かのジャングル・ルームで「♪グローリグローリ・は・れ・るぅぅぅや」と血税を使いまくってアホアホ・パフォーマンスをやってみせた立派な首相がいる(いた)国からやってきた国民というふうに認識されるわけである。
もう、カンベンしてくれ。

首相におかれましては、そんなことしてるヒマがあったらエルヴィスのゴスペル・アルバムでも聞いて心を洗えと申し上げたい。

あなたに、エルヴィスのゴスペルがわかるとは思えないが。

*1:あのさ、まず「プレスリー」じゃなくて「エルヴィス」と書きやがれ