Less Than JOURNAL

女には向かない職業

メリクリで眠れない!

 今さらなんですが、
 今月、ついに出ましたね。Weezerのニューアルバム、あかWeezer
 なんかゴレンジャーみたいでカッコいい。

 もちろん音楽、カッコいい。
 ザ・バンドの「ウエイト」もカヴァーしててカッコいい。

 そして日本盤ボーナス・トラックは、BoAの「メリクリ」。

 やられたなぁ〜、こりゃ、やられた!
 まいった! さすがです! にいさん!

 今回は全世界、各国のヒット曲をボートラ収録するのが目玉企画。しかし、それにしても今頃になって突然「メリクリ」を持ってくるたぁ、すべての地球人の想定外だったのではないか。確かに、Weezer好みな感じだなぁというのはカヴァーを聞いて思ったけど、それにしても、あまりにミラクルな選曲。
 と思ったら。
 日本盤については、リヴァースさんが日本人の奥様に「メリクリ」をオススメされたのがきっかけらしい。この曲を「絶対に好きっしょ」と聞かされたリヴァースさんは、さすが妻はオレの好きなものをわかっていると感動したそうだ。
やっぱし、ワールドフェイマスなロックバンドとはいえ、家族にしかわからないことがあるのだなー。
リヴァースさんに「メリクリ」をオススメできる人は地球上でひとり! と思います。いろんな意味で。
あざーす!

 で、そのカヴァーなんですけどね。
 これがもう、なんというか、ある意味、ひどすぎるんです。
 たまらないです。
 つまり。
 ひどすぎて、素晴らしいんです。

 もちろん日本語でカヴァーしてるんですけどね。
 日本語が不自由なのはもちろんのこと、英単語が出てきても、J-POPの歌詞の乗せ方だから英語として発音でけないところがあったりして、途中は何の拘束プレイなんだ!?的なもどかしさが、原曲のせつなさと相まって胸にキュンキュンきて。で、最後の英詞フレーズのところでようやくパーッと解放されるかと思いきや、ずっと日本語で歌っていたせいか、なんか、正座して痺れた足で立ち上がったみたいな、英語もなんだかちょっとヘンなことになってる?みたいな感じに、さらにキュンキュンしちゃいますぅ。

 まぁ、ゆーてもオマケみたいなものなんですけどね。しかし、しかし、やっぱし母国語の引力はすごいわけで。もう、ずっとWeezer版「メリクリ」がアタマにこびりついて離れないわけでキャーたすけてー。ざっくりとテキトーにカヴァーしているように見せかけて、実はすごいちゃんと歌っていて、ハモまでついてて、しかも歌っているのは言うまでもなくホンモノのWeezerなのだから、実はヒドイだの何だのゆったところで、六本木の不良ガイジンのカラオケとは違って、ヤツらは確信犯的にキュンとさせるべく歌ってるわけで。だから、オマケとゆっても心の深いとこまで入ってくるわけでキャーたすけてー。

 やばい。本当に、アタマから離れないんです。

 もどかしくてすごいもの、に弱いんだよ。

 彼らにとっては母国の言葉である「Letter」すら旋律の都合上まともに発音を許されない羞恥プレイのような歌声に、エド・サリバン・ショウで下半身シェイクを禁止されたエルヴィス・プレスリーが歌った「ハウンドドッグ」のごときロケンロールを感じてしまうのであります。

 そもそもBoAちゃんのオリジナルも、日本語ネイティヴでない人が歌うちょっともどかしい感じがせつなさをアップしているわけだが。こちらのカヴァーはもはや「もどかしい」とかいうビミョーなレベルじゃねぇですから。

 わたくし的には、ティロットソンの「涙くんさようなら」以来の
「胸キュンガイジンJ−POP」
の誕生だ。ひゅーひゅー!

 思いっきりカタカナ読みの♪シィーーディーーー(←CD)とか、もう、せつなくて身もだえしてしまいますよ。

 あ、でも、ティロットソンとWeezerの間にルネ・シマールを入れるかどうかは考えちゅう。 

 ということで、わたしはもう、この1曲によって本盤が今年のベストアルバム入り決定っつーくらい盛り上がっているわけで。今年のクリスマスはこの曲を爆音で聞くのだと思うと、今から眠れないくらいの超常テンションなわけですが。世間的な……すなわち「夏だね。キミたち、今年のフェスはどこ行くの?」とか「イカしたロックTがない星には住みたくないヨ」みたいな、そういう、明日のロックシーンを担う健全な若者たちの評価はどんなもんなのでしょう。

洋楽派のボクは着ウタのJ−POPなんて興味ないネ、みたいな人の感想が聞いてみたいんだ。ものすごく。

ザ・レッド・アルバム

ザ・レッド・アルバム