Less Than JOURNAL

女には向かない職業

ブクロエッチでバッハッハッハッ

HMV@池袋メトロポリタンプラザ店での、ミッシャ・マイスキーさんインストア・ミニライブ&サイン会に行ってきた。

ちょっと早めに売場行ってみたら、まだ、熱心な十数人くらいが前列を陣取っているだけだった。もう少し後でも大丈夫そうなのでいったんクラシック売場を出て、目の前にある無印良品でちょっとブラブラしていた。

そしたら。

ミッシャ・マイスキーさんも、ブラブラしているではないか!無印良品を。

(|||ノ`□´)ノオオオォォォー!!

水飲みながら、うろうろしてるー。
うわー。カッコいい〜。

奥様と娘さんもいらしていて、まるでフツウの「休日の駅ビルで、ダンナさんが買い物しているのを奥さんが待っていて、子供が走り回っているガイジン一家」の図。ありえない! だって、わたしがいつも足なり直角靴下3足組とか、綿棒とか、レトルトカレーとか買っている売場に、世界のマイスキーさんが! ありえない! 地元のスナックに行ったら、プラシド・ドミンゴ布施明を歌っていたようなものである。あたしにとってはね。いやぁ、ドキドキした。

で、HMVに戻り、前から4列目くらいのポジションを確保して待つこと15分くらい。もうちょっとで始まるという時に、ふと後ろを振り返ってみると……無印の店内に、マイスキーさんの銀髪がにょきっとのぞいていた。わっ、まだぶらぶらしているのか(笑)。ま、ま、まさか、レジが大行列で「あっ、いかん! 今は無印良品週間だったし!」と気づいたものの、今さら列を抜けるのも勿体ないしなーと思っているうちにインストアに間に合わなくなっちゃったりして……て、そんな失敗、オレだってしねーよ!
という心配はもちろん無用で、定刻どおり、あの16世紀の名器の入ったケースを抱えてニコニコされながら登場。新作はR.シュトラウスドヴォルザーク作品集だけど、「ノー・ピアノ(笑)」と言ってバッハ。このお得感といったらない。だって、目の前5メートルくらいのところですよ。こんな至近距離であの音色が聞けるって大富豪気分だよ。指先や表情も、まじまじと見てしまった。しかも池袋HMVの場合は段差のあるステージではなく、ふだんはワゴンが出ているような売場の真ん中でインストアがあるので。なんだか、申しわけないくらい贅沢。匿名の富豪から楽器を譲りうけた有名なエピソードとか、来年はチョン・ミュンフンさんと来日してサン=サーンスとラロを演奏するけど、ラロはもう20何年も演奏会でやっていないのでどうなるでしょうか(笑)とか、ラッキーなことにしょっちゅう日本に来ることができて、ときどきベンチャーズか」「来すぎ!」と言う人もいますが私はシアワセです(笑)とか、ホントに人柄がにじみ出ている語り口で、丁寧で優しくて実直なお話をするところも見られてよかった。

演奏が終わると、続いてさっそくサイン会。運良く早い順番が回ってきた。

当然のことながらパッパッと流れ作業だが、それでもひとりひとりに丁寧にサインをして、ちゃんと顔を見てニッコリして手渡してくれる。「ありがとうございます」っつったら、オイラにもニッコリしてくれたんだぜ(T_T)。やっぱりさー「音楽と人間性は関係ない」つーけど、これだけ音楽と一体化して生きている人は、その音楽と同じオーラを発しているものだ。なんか、一瞬だったのに、あの時のあったかいほっこりムードがずーっと余韻になって残っております。
マイスキーさんは、ご本人の意向もあって、このクラスの演奏家にしてはビックリするほど気さくにインストアやサイン会をやっているらしい。演奏が終わってからCDを買っている人も多くて、サインが始まってからも行列はどんどん長くなっていった。が、この後は渋谷タワーへ。すごい。
ふだんインストアライブって苦手なのですが、今回はたまたま行けてよかったなぁ♪ 実はマイスキーさんのコンサートはもう何年も前にマルタ・アルゲリッチさんと来た時に行ったきりなんですが(スンマセン)、来年はまた行きたいなぁ。アルゲリッチさんとも、来年はコンビ結成30年だそうだし(笑)もとはと言えば、前回のブクロエッチのエントリーで書いたように、ポイントカードの点数をあとちょっと足さないと勿体ないですよと教えてくれた店員さんのおかげだ。ありがとう(T_T)。

そうだ。マイスキーさんがサインしている隣に娘さんがちょこんと並んで、積んである色紙にガシガシとサインするマネをして遊んでいて。それがもう、めちゃめちゃかわいかった。家庭的だなー。