Less Than JOURNAL

女には向かない職業

行列のできるJ&R

ホリデーシーズンを前に、ひときわ華やぎに満ちるニューヨークの街。



しかーし。



ロウワーマンハッタンにあるJ&R Musicの前には、
真っ昼間からオッサンたちが長蛇の列。

場外馬券売場かと。
 マンハッタンなのに水道橋のにおいがする。


 そして待つこと、小一時間。





来たッ!

……つっても、わかりますかね。
デラックスセダンからさっそうと降りたつ、われらがセレブ。


↑静止画では一般のオッサンと見分けがつきませんが。動画だと見分けがつくかというと、見事なまでに気配を消しているのでやっぱり見分けがつきません。

「ヘーイ!」「ブライアーン!」とおっさんたち(とオレ)が口々に声をかけるも、振り向きもせず。ちーんとおすまし。さすが、レジェンダリー置き物。ジェフリーに連れられて、ちーんと店内に。ジェフリーはもはや介護士つーか、ブリーダーつーか・涙。


↑この張り紙の日本語訳(大意):
きょうは、ぶらいあんがみなさんにサインをします。
けれどぶらいあんは、とてもせんさいな動物なので、
びっくりさせてはいけません。
写真をとったり、すいーといんさにてぃのことをしつもんしたり、
たべものをあげたり、まいくのものまねをしてはいけません。

しかし、こんな張り紙一枚で整理券もなくガンガンと行列が長くなってゆくので、日本人としてはドキドキ不安になっていたのですが。予定時間を過ぎても、文句を言う人もなく。みんな静かに……いや、ヲタ話をしながら並んでいて。アメリカってこーゆーところは、びっくりするほどおおらかというか辛抱強い。で、何人来るかわからないサイン会がちゃんと時間内でびしっと仕切られるのもすごい。すごいハッピーな雰囲気だった。やっぱリスペクトがあるから?


しかし、マジで異様なまでに平均年齢の高いサイン会だった。あとコンサートも。
99年のカムバックツアーの頃ってさ、サブカルな若者とかもワラワラ群がっていた気がするけど。あと、イギリスも日本同様に若い人たちが多いけど、ニューヨークは気持ちがいいほどみごとに若者がいねぇよ! おどろいたよ! 今のCRTみたいだよ!(笑)

それでもすごい行列ができていて。やっぱすごい。まぁ、通りすがりのオバチャンとかには「誰? 誰?」って聞かれて「ブライアン・ウィルソン」っつーっても「は?」って言われて、「オブ・ザ・ビーチボーイズ」って付け加えると「あー(棒読み)」て軽くスルーされるわけだがな(涙)。


↑サイン、ちっさ!

でも、『THAT LUCKY OLD SUN』のサインは日本ではちょっとレアなのでうれすぃー。

それにしても、みなさんいったい何枚目の同じアルバム買っているのか。
ま、ご同慶の至りですがね(笑)。
行列に並ぶ人々の多くがアナログ盤を買っていたのは、どうせならおっきいサインをもらいたいという乙女心ヲタ心に他ならないでしょう。

ところが、そんな俗なスケベ心はブライアンには通じないのです。

あれだよ、大きいつづらと小さいつづらのお話みたいなもんだよ。
アナログもCDも全部おんなじ大きさでサインされたよ。

だから、サインが小さく見えるアナログのほうが損した気がする。うーむ。

ご存じのように、あいかわらずBとWしかわからないサインですが。
なんか、今まで見たなかでもっとも丁寧に一枚ずつちんまり、ちんまり、ゆっくりサインしていてかわいかった。でも、BとWしかわかんないんですけどね。

このJ&Rというのはビックカメラみたいな、電機館とかPC館とか音楽館とかゲーム館とかいろいろあるヲタクの娯楽場なのですが。この日、夜から仕事で昼間はヒマだったので同店にて遊んでおられたダリアン・サハナジャさん(仮名)という人は、おもてが騒がしいので「え、何があるの? サイン会? わー!誰のッ……」と一瞬ワクワクするも、「え、ブラ……(以下略)」とおおいに驚かれたそうです(実話)。


ちなみに。数日後、本・CDのメガストアBORDERSに行ったらBORDERS限定盤『THAT LUCKY OLD SUN』っつーのを発見。なにかと思えば、「切手ふうシール封入」(笑)。あの、内ジャケの切手シート風の写真がシールになってるだけなんですけどね。

ええ、買いましたよ。ニューヨークで二枚も『THAT LUCKY OLD SUN』を買うとは。
しかも、二枚目は「切手ふうシール」が欲しくて。
ブライアンは世界一オッサンな3歳児だが、オレらもせいぜいシール好きの小学2年生だな。