『ウォーク・ハード』追記/サントラに関する覚え書き
前回からの続き。
さて。そんなわけで、TSUTAYAで思わぬ大当たり『ウォーク・ハード』を引いて大喜びのわたくし。アメリカのメジャー映画の世界にも、こんな好きモノがいるなんて。まだまだ世の中には、オレらの知らない好きモノがたくさんいるのだろうなぁ。しかしながら、いったい、この『ウォーク・ハード』の音楽はどんな人たちがかかわっているのか。さっそくDVDとサントラをアマゾッてポチッたので、それが届いたらゆっくりとクレジットチェックをしてみないとなぁ。いったい、どんな連中がやっているのかなぁ。
と、ワクワクしていたところ、翌日、オレらの仲間内で《好きモノ》といったらこの人、“好事家”の愛称で知られる(知られねーよ)瀬竹誠さんからメールが来た。
以下、お許しを得たのでちょこっと。
最初、へー、こんな映画があるんだーと思いながら読んでいたのですが、俺、随分前にサントラを買っていました(爆)。調べたら今年の6月でした。
というのも、このアルバム、Van Dyke Parksが参加しているからなんです。
で、新宿のユニオンに面だしされていて。で、買ってみたらなんか相当マニアックなことをやっていて、誰が参加しているんだ?とチェックすると、Mike Violaだった!
と、その他いろいろと驚きのウォーク・ハード情報を教えてくれた!
いやーーーーーーー、申し訳ない! ごめんなさい! しらんかった!
気づきませんでした! 信号でいえば、赤なのに渡っちゃったようなものです。
ああ、好きモノの道は好きモノに通ずるのですね。
「すげーもの発見したぜ! ウォーク・ハードって知ってますか!」って、オレはナイツかってーの。お恥ずかしい限りでございます。
「アメリカには、こんなヴァン・ダイクみたいなことフツーに冗談でやっちゃう人がいるんだねぇ、あはは」とかゆってたら、ガチでヴァン・ダイクだったぜ!
自分で「スマイル」をパロってるって……orz。
てゆーか、マイク・ヴァイオラ! まさに、好きモノ界のロナウド(←やっと顔と名前が一致したので、使ってみた)。そりゃ、そんなロナウドまで入っている謎のサントラが出た日には、新宿ユニオンも面出しは当たり前田のパワー・ポップですよね。
と、そんなメールに「ひょえー。」と驚いて、あわててサントラのクレジットを検索してみたら……つか、そうこうしているうちに『ウォーク・ハード』のDVDも届いて、その特典映像がまた衝撃的だったりして、なんだかもう、ものすごく偏った視点においては《世間は狭いなぁ》状態で(笑)。あらためて感動の嵐に見舞われているところです。
このマイク・ヴァイオラと一緒に、多くの挿入曲を共作しているのがダン・バーン。これまた、好きモノ好みの渋いシンガー・ソングライターですが。ポップ魔術師系のマイクさんに対して、ダン・バーンはどっちかっつーとC R T系にも関わってくるオルタナ・ルーツ的な持ち味という印象で。このふたりが他にも共作をしているのかどうか、浅学のオレは瀬竹さんに訊かないとわかんないですが(笑)、いずれにせよ、このふたりが一緒に曲を作ってるってゆーのは、単純に音楽的にものすごく面白いなーと思うし。同時に、このふたりが合わさったくらいの“幅”がないと、この映画のサントラは成立しなかっただろうなと。おバカ映画でありますが、音楽的にはかなりハードル高い。歌詞はシモネタなのに、サウンドはガチでマジ。つか、そもそも、この映画は「音楽がスゴい」ことが最大のジョークなわけだな。音楽に対する最高のリスペクトを捧げつつ、レイとかウォーク・ザ・ラインとか、昨今のいわゆる“Biopic”ブームへの軽い皮肉がこめられたりしているところが、もう、あまりにもニヒル。インテリくん。カッコよすぎる。
そんなこんなで、クレジットと特典映像を見ていたら……衝撃の事実が次々と発覚。
まず、主人公“デューイ・コックス”の代表曲であり、後にジャクソン・ブラウン先生にもカヴァーされたという設定の映画主題歌「ウォーク・ハード」を作っているのは、誰あろう、マーシャル・クレンショウ先生であったよ。
あたり前田のクレンショウ!
↑すんません、ちょっと書いてみたかっただけ。
で、話は戻るが。ヴァン・ダイクといえば。最近はローウェルの娘のイナラ・ジョージちゃん(THE BIRD AND THE BEE)のアルバム『An Invitation』でのコラボが、好きモノの間で話題沸騰しましたが。なんと、その共演アルバムと、その前の1stソロにもプロデューサーとして参加しているマイケル・アンドリューズが、このサントラのトータル・プロデューサーでもあるとゆーではありませんか。好事家情報によると、マイケル・アンドリュースさんは他にもいろいろサントラを手がけていたり、ソロも出していたり、やはり見逃せないキーパーソンだとか。
で、このサントラにもイナラちゃんが参加している。
しかーも!
それだけでなく。
どうやら『ウォーク・ハード』のオーディオ・コメンタリーにて発覚した事実らしいのですが、
イナラちゃんは、この映画の監督であるジェイク・カスダンと結婚したそうだ!
マイケルつながりで監督と出会ったのか、監督つながりでマイケルと出会ったのかは不明。
ちなみにジェイク・カスダンは、映画監督/脚本家ローレンス・カスダンの息子さん。ローレンス・カスダン監督といえば、コメディから超大作まで何でもありの巨匠だが。そういえば《超豪華洋楽コンピ・サントラ》の先駆けとしても知られる『再会の時/THE BIG CHILL』の監督であり、《超バカ売れ洋楽コンピ・サントラ》の金字塔を打ち立てた『ボディガード』でも製作と脚本を手がけている。で、そんな超メジャー音楽のサントラ・ヒットを世に送り出しつつ、トレイシー・ウルマン嬢を主役に据えた名作『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』なんてゆー監督作品もある。いやぁ、息子さんの燃えるサントラ魂とゆーのもDNAなんですかね。そういえば、異業種だけど二世同士の結婚でもありますね。
あ、あと、そういえばマイク・ヴァイオラも、もともとはトム・ハンクス初監督映画『すべてをあなたに』の主題歌で一躍その名を知られた人で。そう、トム・ハンクスがブライアン・エプスタイン調のマネージャーを演じつつ、監督として「デイヴ・クラーク・ファイブ大好きッコ宣言」を高らかに告げた青春音楽映画。主人公であるバンド“ザ・ワンダーズ”の、唯一のヒット曲という設定の「That Thing You Do」。当時、あの名曲がまだほぼ無名の若者たちによる新曲だと聞いて「アメリカって、とてつもない国だな」と驚いたものだった。で、その共作者にしてリード・ヴォーカリストがマイク・ヴァイオラだった。
この映画には、サントラの神様も微笑んだに違いない。
ま、あと、ちょっとは怒ったと思うけど(笑)。
以上!
とりあえず情報を補完しようと思ったら、どこからまとめてよいものやらダラダラになっちゃいました。
あとは各自ググッたり、アマゾッたりしてみてください。て、テキトーだが(笑)。
それから、ヴァイオラさんのソロも買うべし!
まぁ、そんなわけでだな。
『スクール・オブ・ロック』みたいな映画だと思って借りたら大失敗! とか、ビートルズをバカにしています! とか、下ネタばかりで意味わかんなーい! とか、そんな、ネコに小判の風評に負けてはいけない! 小判は、その価値がわかる者が手にしてこそ意味があるのだ。ネタ元の『ウォーク・ザ・ライン』だって苦戦したのに、ましてやパロディ、しかもめちゃくちゃわかりづらい音楽ネタ満載の映画が日本で出るだけでも快挙なのに、我々好きモノにとって値千金の特典映像までてんこ盛りで発売したソニー・ピクチャーズはえらい。漢だ! 映画ではチラ見せ的に贅沢な使われかたをしている、デューイのトリビュート・ライブの模様もフルで収録されている。くだんの、ジャクソン・ブラウンとライル・ラヴェットとジュエルの共演もちゃんと全部ホントのトリビュート・ライブっほく演っててビックリ。マイク・ヴァイオラやダン・バーンら、音楽関係者の映像もたっぷり。
ブルースからロックンロール、ヒルビリー、フォーク、カントリーに60'sヒット、そしてパワー・ポップ……とアメリカ音楽史縦断の旅はやぶさかではないという音楽ファンならば、レンタルではなく迷わずセル版のコレクターズ・エディション購入をおすすめする。
ただし、とってもシモネタが多いのでお子ちゃまはオ・ト・ナになってからだヨッ☆
そういえば、特典映像の中に「デューイ・コックスの真実」なるフェイク・ドキュメンタリーが入っていて。これがまた、主演のジョン・C・ライリーやカスダン監督らキャスト、スタッフ、有名ミュージシャンたちが伝説のデューイ・コックスを語る大傑作。ジャクソン・ブラウン様が、昔、コックスとは女がカブってた……なんてことを真顔で喋るんですよ。泣けます、いろんな意味で(笑)。しかし、なんとゆっても、この映像におけるMVPはシェリル・クロウ姐さんです。もう、シモネタ爆裂ノープロブレム! そもそもデューイ・コックスっつーくらいで、映画の中でも「×ックス」ネタ満載なんですけど。最後に、満面の笑顔で「アイ・ラブ・×ックス!」って叫ぶシェリル姐さんが……(号泣)。いや、フツウに尊敬するミュージシャンの名前を呼んでいるだけなんですけど、もはや姐さんが言うと……ステキですッ!
まだ見てないけど、オーディオ・コメンタリーも楽しみ♪
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