Less Than JOURNAL

女には向かない職業

今夜はブギー・キテーちゃん☆

近所に、24時間営業の大型百貨スーパーがある。
2階が家庭用品や家電や文具や玩具売場で、ここもテナントやら一部の売場を除けば深夜も営業している。素晴らしい。

で。
この売場には、キティちゃんのポップコーンマシンがあるんです。

スーパーとか遊園地にあるポップコーン自販機の、キティちゃんバージョン。ご存じでしょうか。知らない人に説明するのは難しいので軽く概要のみ述べますが、ポップコーン機の中でエプロンかけたネコがせっせと働いていて、ネコが媚び媚びのアニメ声で「できたてのポップコーンはいかがぁ〜ん?」と連呼しているわけです。そしてBGMには、たぶん昭和の女児ならもれなく懐かしい♪はろーキテーこんにちわ〜……という、ことごとく耳に残る歌がエンドレスで流れているのです。

でね、このフロアではネコも24時間稼働しているのです。
まぁ、日中は子供たちも多いので別に何の不自然もないのです。ただ、我が家は超夜型なので、深夜になってから「げっ、特殊な電池がない!」とか「急に背が縮んだので、明日はいてゆくズボンの裾上げをせねば!」とか、何かと2階売場のお世話になることが多いのですが……深夜のキティ、これがもう、めちゃこわい。
夜は店員さんもレジにひとりかふたりとかで、クローズ部分は布で覆われて電気が消えてるし、がら〜んと広い売り場はただでさえ淋しい。そんなところに、ぽつーんと誰も買うはずもないポップコーン機があって、ネコが「できたてのポップコーンはいかがぁ〜ん?」と連呼してる光景はもう、あまりにシュールです。

この歌がまた、トランス的にテンション高くてですねー。えーと、わからない人にはわかりづらくて恐縮ですが、特に♪つられてやさしくなっちゃうーのーハッ〜というフレーズの(←「ハッ」じゃ意味が通じないので、たぶん間違ってると思うんですが。歌詞がわかんないので、空耳ですみません)「のー」から、「ハッ!」へとなだれ込む瞬間の、いわばオイパンク的な爆発力。これこそ、この曲が「世紀を超える曲」といわれるゆえんかと(いわれてませんけど)。

静まりかえった深夜のスーパーでテンション高くポップコーンを売り続けるキティ。
この光景はもう、立派な怪談クオリティでしょう。

てゆーか、この場面に遭遇するたび、わたくしは映画『白日夢』を思い出します。
昔、何度か深夜のテレビで見ただけなのでウロ覚えなんですが、なぜか無人のデパートの中を愛染恭子さんが「あ〜はははは、あ〜はははははは」ってスケスケのネグリジェみたいなカッコで彷徨している幻想的なシーン(ま、ラリッてる脳内映像なんですが)。まさに、ああいう感じなんです(←キティがね)。こわいでしょう? こわいでしょう? ある意味、ネグリジェの愛染さんよりもエプロン姿のキティのほうがこわい。*1

今日も、深夜とゆーほどでもないけど十時半くらいだったか、ちょっと買い物があって寄ったんですよ。そしたら、もちろんキティは年末もテンション高くポップコーンを売っていて。で、なぜか店内BGMは妙にナウっちくDJカ●リRemixのBlack Eyed Peas(たぶん)が流れていた。

このバトル、すごかったぜ。


♪ハローキテー こんにちわー
♪デーデデンデーデーンデーンデーン(←「ミザルー」のとこ)
♪わんぱく いじわる おこりんぼうも〜
♪デーデデンデーデーンデーンデーン(←「ミザルー」のとこ)
♪やさしいキテーと一緒なら〜
♪ドンスカドンスカ!ドンスカドンドン!
♪つられて優しくなっちゃうーのーハッ!
♪でぃぃぃぃじぇぇぇぇキャウォォォォリーーーーーィィィィィ

デッド・オア・アライブのDJバトル。
すげぇ。マジすげぇ。ちびったぜ。

まぁ、さまざまなナンバーを次々と繰り出してくるキャウォォォリーに対し、ネコのほうはキティちゃんの歌いっぽん勝負であったのはどうなのよ、というところではあるが。


かくして。わたくしがトイレクイックルのリフィルと激落ち君を捜し求めてフロアをハイパー・クルージングしている間じゅう、狂気のリミックス・バトルは続いたのだった。


フライデーナイトの家庭用品フロアは、さながらカオスなナイトクラブの様相であったことよ。

今年最後の金曜日。
決戦は金曜日。
サンクスゴッドイッツフライデェェェェイ!



さ。掃除だ、掃除だ。

*1:あと、本当にどうでもいいことなんだけど、『白日夢』の佐藤慶さんは落合博満に似ていないか? 似てると思った瞬間から、『白日夢』で自らの妄想力が起動することをおそれて、二度とあの映画は見るまいと心に決めたわたくしである……でも、ほんとはチョット見たい。