Less Than JOURNAL

女には向かない職業

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

ダコタちゃんまつり番外編。
ダコタちゃんをオトコにした「アイ・アム・サム」は、菅原文太でいうところの「仁義なき戦い」である。で、「アイ・アム・サム」つながりということで、ショーン・ペン主演映画でも観るか……と。
それにしても、今となってはペン&ダコタちゃんコンビの共演もまた、微笑ましい父娘というより、文太とアキラに見えて来るから映画とは不思議なものです。
や、不思議なのは映画じゃなくてじぶんか。


最近のショーン・ペンは、もはや無敵モード。とりわけデ・ニーロとアル・パチーノダスティン・ホフマンがジジイになって出来なくなった役柄を片っ端から全部引き受けてひとり勝ち……の観を呈している。自身が意識しているわけではないかもしれないが「21グラム」ではデ・ニーロ、「ミスティック・リバー」ではパチーノ、「アイ・アム・サム」ではホフマンをほうふつさせた。もし『ゴッドファーザー』のパート4が制作されたら、まちがいなくキャスティングされるような気がする。

『初体験/リッジモント・ハイ』のショーン・ペンを見て、あるいはマドンナと一緒にパパラッチをブン殴ってた頃のショーン・ペンを見て、誰が現在のショーン・ペンを想像できたであろうか。

しかしまぁ、この映画に関してはまちがいなくデ・ニーロを意識してるな。つか、意識してなかったら逆にヘン。まさに『タクシー・ドライバー』の時代の、“もうひとつの『タクシー・ドライバー』”みたいな物語なのだから。なんか、誰かのトリビュート盤を作ろうとしたが「オレの愛はカヴァーなんかじゃ表現しきれないぜ」と、カヴァー曲ではなくてリスペクタブルなオリジナル曲でアルバム1枚作っちゃったような感じ。
確かに、この映画はショーン・ペン以外がやったら成立しない。

これまた、凄いギタリストのプレイだけでグングン引っ張ってくアルバムを聴いてるような映画。ストーリーよりも「演技、すげぇ」って見入ってしまった。
CD帯のキャッチコピーふうにいえば、
<ウルテク演技が唸る、快心の佳作>
てな感じ。おもしろかった。

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 [DVD]

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