Less Than JOURNAL

女には向かない職業

シャリコマ最高! エロエロガーナー!

いろいろ好きなレコードはあるが、もし無人島に1枚だけジャズのレコードを持ってゆくとしたら迷わずエロール・ガーナーの『コンサート・バイ・ザ・シー』だな。もともと父親が好きで、物心ついた頃からずーっと聞いてるレコードなので、今さら何がそんなに好きなのかよくわかんなくなってるくらい好きなんですが。やっぱりいい。何度聞いてもいい。ガーナーは他のもいい。当然「ミスティ」だってあるわけで。でも、このレコードがいちばんいい。つか、オトナになってから聞いたほうがいいし、最近ますますいい。シャリコマな選曲がいい! というのはオトナになってからの価値観である。もぉ、ホント、最高っすよ。昔は「シャリコマ=悪」だと思いこみ、シャリコマなレコードはSJのレコ評でオジサンがへたりこむほどダメ(よくてワニ一匹がオマケにつく程度)だと信じて疑わなかったわけですが。シャリコマ・イズ・ビューティフル。今はそんなふうに思える自分が昔よりずっと自由だなぁと感じます。ビル・ヘイリーが♪ワンオクロックジャンプッなんてやって、世の退屈なティーンエイジャーたちを興奮のるつぼに巻き込んでいる頃、海沿いの小さな町カーメルでこんなステキに“退屈な興奮”が奏でられていたんだなぁと思うと、それもまたイマジネーションを刺激します。なぁんてことを思いながら、今日、クルマで聞いてました。昼間も夜もバッチリ!
で、このレコードは音も好きなのですが、ジャケが最高。

赤い上着に黒いマンボズボンの女性が、どうしてそんな端っこで、何を喜んでいるのか? その意図がサッパリわからない謎の構図が、最高に好きです。ああ、そういえばコドモの頃は音より先にジャケが好きになったなぁ。このポーズ、絵に描いたりしてました。てなわけで、ウチにはいつの間にか、ザッと数えただけで5〜6枚おなじCDがあります。お店にあるのを見つけると、なんだかうれしくなって買わずに居られナイン手すよ。ヘンなの。昨年12月からは3ケ月限定で1500円とゆーシリーズで出ているのを見て、またもやついつい買っちゃいました。レコード屋で見て「家に帰って自分のを聞こう」と思うのでなく、ココで買って帰り道に聞きたい! と思ってしまうのです。なぜだかわかんないけど、このレコードに限ってはいつもそう。
しかし、最近になってようやく初めて知った事実なのですが。これ、アメリカ盤はジャケが違うのです……ね?

(※ちなみにコレは再発CD盤、オリジナルは縁なし)
ヨーロッパ盤とかは日本盤と同じジャケで出ているようですが。つまり、もともと邦盤は欧盤だったのでしょうか。確かにおしゃれフレンチ♪っぽいというか、真夏の夜のジャズっぽい雰囲気のジャケですものね。ま、いずれにせよ、あっちのジャケでよかったです。アメリカ盤のほうは、景色も女性もなんだか妙にゴツくておしゃれ度低い。つーか、ちょっと東宝映画のオープニングっぽい感じがします。見ようによっては、女性はタメゴローチックだし。ただ、まぁ、こっちのほうが、もともとのガーナーの演奏にはイメージ合ってるのかもしれんが……。

コンサート・バイ・ザ・シー(期間限定盤)

コンサート・バイ・ザ・シー(期間限定盤)

そういえば、デヴィッド・ハンドラーの“ゴーストライター探偵ホーギー”のシリーズで、主人公スチュアート・ホーグもエロール・ガーナーが大好き。ホーギーは時おり、もう、他人とは思えないくらいの思考回路で仕事をするので、わたくしはシリーズ2作目あたりからずっと、人生の師とあおいでおるのですが。音楽のシュミも似てるとゆーのがものすごくうれしい。ただ、どうやらハリー・コニックJr.のことを認めてない点だけはちょっと話し合いたいところなのだが(誰と?)。