【吉報】わたし待つわ【吉兆】
先日、某ウェブ古書店さんにて1967年の『ミステリマガジン』を見つけた。
ジョン・ル・カレの単行本未収録短編「ベンツに乗った商人」掲載号。
うれしい。なんつーことないスケッチのような短編だが、ここに描かれた、なんとも後味の悪い息子と父の関係は、後の『シングル&シングル』の原点を思わせる。そして、当時のル・カレの個人的な心情も見え隠れしているような、興味深い短編だ。
それはさておき。すでに『ナイロビの蜂』の後に2作、未翻訳作品が出ているわけだ。翁、とってもお元気なのだ。ええ、もちろんトライはしましたとも。仕方なく。しかし、読みたい気持ちに読める力が負けました。どんなに好きでも格調高きクイーンズエングリッシュはムリです。オレにはムリ。死ぬまでムリ。つか、生まれ変わってもムリ。生まれ変わっても、たぶんお箸の国の人だもの(T_T)。
そんなわけで、もはや日本語で新作を読むことはできないのか。と、禁断の古書集めに手を染めようとした矢先、長らく中断していた英国ル・カレ公式サイトがリニューアル・オープン。
そこに、海外での出版元一覧リストがあった。
なんと!
こーぶんしゃ!
と書いてある。
こーぶんしゃか!?
今度は、こーぶんしゃが翻訳権を取ったのですか!? つか、いつ!?
早川書房、集英社ときて、光文社……おお、まるで落合のような移籍*1っぷりではないか。ありがたい。こーぶんしゃの方角を向いて、深々と頭を下げました。
お高かったでしょうに(T_T)。
いやー、もうじきリヌーアル・オープン!の言葉を信じて幾歳月。
3日にいちどは見に行ってた苦労が報われたよ(つか、3日にいちどル・カレでぐぐるのが日課だし)。
オフィシャルなので、ほんとうだよね。
きっと、今、日本のどこかで、志ある立派な翻訳者の方が「ったくもぉ、年寄りは話がまどろっこしーんだよ」と怒りながら、どう考えても割に合わないめんどっちい作業を続けておられることを想像しつつ……
待ちます。いつまでも。