Less Than JOURNAL

女には向かない職業

アメリカン・アイドル

 今さらながら、やっぱりおもしろい『アメリカン・アイドル』。
 去年fox japanで、再放送だけど初めて番組をちゃんと見(続け)て、これは大統領選に勝つのも納得だわと思った。アメリカ版イカ天でしょとか、『歌スタ』でしょとか言われるが、まったく別モノ。これは日本では絶対にムリ。つか、どこの国でもムリ。オリジナルはイギリスの番組とはいえ、これはアメリカだからこそ盛り上がる要素てんこもりの番組だから。子供の生徒会選挙から大統領選まで、ありとあらゆる組織の中で作り上げられてきたアメリカン民主主義のシステムってものが、そのままショービズ番組になっている。で、音楽ファンにとっては、「アメリカがオッケーを出す音楽」というのがどーゆーものなのかということについて毎回、深く考えさせられる。番組の名物である、ただひとりのイギリス人審査員であるサイモン・コーウェルの辛口意見の“異端さ”が、アメリカらしい価値観というものをさらにわかりやすく見せている。いくら情報を集めまくってマニアになっても、アメリカ音楽シーンを支えるホントの意味での《大衆》ってものを、やっぱし日本にいると全然わかんないんだなーと思う。

 そして、日本のアメリカンポップス・ファンとして特筆したいのはライアン・シークレストのMC。なんたって彼はケーシー・ケイサムに続く、3代目の“American Top 40”MCである。とにかく、フツーにものすごくわかりやすいDJ喋り。さすが、超王道って感じ。で、これはとりわけ、たぶん日本のアメリカンポップス・ファンにとっての「いちばん聞き慣れている英語」だと思う。テンポといい、リズムといい、音楽番組で聞き慣れたボキャブラリーといい、そして(最も大事なことなんですが)わかりやすさといい。かつてFENに夢中になった人や、アメリカン・バンドスタンドのビデオを見まくっていたような世代の人が聞けば、語学堪能でなくても絶対、ものすごくスラスラ入ってきますよ。一生懸命ラジオ聞いていた頃に戻ったような気がしてキュンとしてしまう(笑)。なんかもう、彼がしゃべっているのを聞いているだけで最高に気持ちいいっていうか。その立ち居振る舞いを含めて、まるでディック・クラークのような正当派感ありあり。決めゼリフのメリハリとか、もう、伝統芸能クオリティ。

 日本では約1ケ月遅れの放送なので、今はアメリカのアメ・アイ情報をウッカリ見ないようにするのが大変。トップ10に残ったフィリピン系の女の子がウタダっぽいつーか、コーダっぽいつーかなんですが、ちっこくて一生懸命でかわいいので応援してる。

 ところで前回シーズン6での優勝者、ジョーダン・スパークス
 日本では今ひとつ盛り上がらないアメ・アイ出身者だが、
 ジョーダンは日本でも人気者になってほしいなー。
 そしたら絶対、マエケンがモノマネするに違いない。
 もう、シーズン6放映中からずっと、「クリケイのマネをするマエケン」にしか見えないんですけど。

ジョーダン・スパークス

ジョーダン・スパークス