Less Than JOURNAL

女には向かない職業

そして、輝くウルトラ!ソウル!

 ビーズ(Pにあらず、Bです)のデビュー20周年パーティが某ラグジュアリーなホテルのグランド・ボールルームにて。世界中、各界からゲストが駆けつけ、シャンパングラスのふれあう音が華やかに響きわたる、それはそれはゴージャスな夜。が、おふたりが会場の隅から隅まで挨拶に回ってひとりひとりと歓談するというおもてなしで、とても和やかな雰囲気だったのが、さすがというか、なるほどというか。
 パーティの最後の挨拶でマツモトさんが、ここまで続けてこられたのは、とにかくもう、音楽が好きで好きで、その気持ちだけで……というようなことを話した。いろいろたくさんの話したいことを集約したら〈音楽が好き〉というシンプルな言葉になったんだろうなぁという感じが伝わってきて、感動した。だから、このグループを20年間ずーっと好きなんだなぁと、あらためて思った。その音楽に対する姿勢は、今なお、ものすごく無邪気で、なおかつ謙虚で、真剣で。とにかく、オープンマインド。これだけのキャリアを重ねてなお、ビックリするほど音楽に夢中になっている。本当に音楽が好きで好きでたまらない人って、ジャンルに関係なく共通する光線とゆーか匂いとゆーか、オーラというか、そういうアレを出していますよ。例外なく。

ちなみに「音楽が好きでたまらない自分」というのを演出しているだけの人も中にはいますけど、そういう人が何か足りない感じがするのは、たぶん、そういうアレが全然〈出ない〉からですね。

で、話は戻る。彼らは音楽との関係性が、常にものすごく親密だ。この親密さ、あるいは貪欲さが、彼らの音楽を解くヒミツのすべてなのだろう。つくづく、音楽の神様に祝福されている人たちだなと思う。

何年も前のことだが、朝■新聞で彼らの人気、スゴさについて4人の識者がコメントするという記事の識者のひとりになった、識者じゃないのに(笑)。その時、彼らを「日本語のロック」史の観点から評価したいとし、その歴史における革命として、70年代にはっぴいえんど、80年代にサザン、90年代(実際は80年代終盤だが)にビーズがあったという風なコメントをした。よく覚えている。その主張をメディアに載せられる機会がうれしかったので。ソングライターコンビとしての特色ということについても書きたいが、また長くなりそうなのでやめときます。広義のシンガーソングライターなのだと、そういうとらえかたをしている。

そういえば、本題とは関係ないんだけど。音楽とも関係ないんだけど。

今日はものすごく久しぶりに会った人が大勢いた。さすがオトナが集うパーティ、15年ぶりくらいに会った人が何人もいた。いつのまにか社長とか取締役とか芸能人とか、すっかり偉い人になっている人も多くて、いやぁ、それに比べて何とノンキに生きてるかなぁ、オレ、と(笑)。つか、ぶっちぎりで時間が止まっている人間だな。仕事関係のパーティに行って周囲を見回して、自分がどれだけピントがずれていて、トンチンカンな価値観で、この職業の適性がないのかと暗澹たる気分になることは日常の茶の飯の事。今日も、まぁ、いろんな人と話していると、まぁ、時にはダーク・サイドにひきずられそうにもなるわな。でも、なんか、いろんな人がいて、楽しかったなぁ。ポジティブでパワフルな方々と会うと、フレッシュなエネルギーをもらえますね。ピントがずれていると思っても、別の何かに合わせる必要はない。ピントが合わない場所には目を向けなければいいだけのこと、クラクラしないために。と、思った。ちょっと哲学的? 今日の主役の揺るぎない信念に触れて、そういう気持ちになったのかもしれない。