Less Than JOURNAL

女には向かない職業

やれやれ。

 「今年も残念な結果になりました。期待されていた村上氏ではなく……」とか「最有力候補の村上氏……」とか、その、自分たちが期待するのは勝手だけど、毎年毎年、へんな報道だな。

 

 誰が期待していたか、主語がないよ。

 

 有力候補といってもそれは単なる賭け屋の結果や噂話であって、審査における候補者というのは正式に発表されるものではないことを知らない人が多くてびっくりする。

 


 たとえば私どもも酔っ払って「今年のノーベル文学賞最有力候補、オレたちのディランに乾杯!」とかやるわけだが。それは、あくまでクローズドな宴会(最高35人くらいw)での冗談。内輪のオノロケみたいなものである。もともと村上春樹が獲るか獲らないかはまったく興味ないし、期待しているファンの方々の気持ちに水を差すのは本意でないし黙っていたけど。ここ数年エスカレートする報道にそろそろいいかげん腹が立ってきた。ハルキストが集まる店とか、母校にカメラがぎゅーぎゅーに入って、同級生とかが「昔から××な子でした」みたいなことを語り、発表の瞬間に「残念!!」「あーあ」とか……オリンピックか。もう、恥ずかしくて泣けてくる。世界の文学をなめるな。なにが「残念!!」だ。そもそもハルキストって、そういう権威主義と逆のところにいる人たちだと思ってたけど。矛盾してないか? もし私がノーベル賞の審査委員だったらw、この騒ぎを見て「意地でもハルキにはやらん!」と思うけどね。

 

 せめて、来年は落選の瞬間に全員そろって「やれやれ。」と唱和するとか。それくらいのユーモアをお願いしたいところである。