Less Than JOURNAL

女には向かない職業

サロネンまつり、本日終了。

ヒラリー・ハーンwithフィルハーモニア@芸劇、もう何も言うこと茄子の圧巻ブラームス。地球上でいちばんすごい演奏のひとつを聴きました。「協奏曲」という言葉の本来の意味を思い出させてくれるような合奏でした。自分が弾かない時に、くるりんとオケのほうを向いてじーっと見てるハーンちゃんがすごく“ジャムってる”感があって好きなんですが。今日はさらに、ティンパニのビートに合わせて顎でリズムを取って乗ってるのがかっこよかった!
フィルハーモニアのティンパニ奏者がベル・ビヴ・デヴォー風ヘアカットがいかしてる黒人のお兄さんで、彼のソリッドなプレイが今回あらゆる場面で実に重要な役割を果たしていた。たとえば、ものすごい複雑なことやってるプログレ・バンドなんだけど、実はドラムがハル・ブレインなのでわかりやすいでーす的な役割(わかりづらい説明ですが)。昨日聴いた「火の鳥」も、そんな感じだったし。よくもわるくも、まさにグルーヴ・マスターという存在感で、サロネンの細かい指揮でオケが乱れそうになる時なんかは特に、彼のグルーヴが全体を何とか助けてるようなところもあって。やっば、いいバンドはフロント(指揮者orソリスト)とドラムがいいんだな的なことも思ったり。
 で、今日、休憩時間にロビーで「いやー、べるびぶでぼーの人すげーな!かっこええなー!最高!!」って盛り上がっていたら、隣にいたマダムは旦那さん相手に「ヒラリーは最高だったけど、あのティンパニは我慢がならない。なんなんだ、あのティンパニは!ドンドコドンドコ!うるさくてたまらん!いいところだと思ったら、ドンドコ煽ってオケも台無し。もう、途中で無伴奏ブラームス弾いてくれないかと思ったくらいだ!」と激怒しまくっていた(笑)。小耳に挟んだところでは「これがウィーンフィルだったら、どんなに素晴らしかったか」と。まぁ、ウィーンフィル嫌いで、ドンドコドンドコが最高にもりあがった私とは正反対の意見で当然でした。別にマダムの意見が正しいとも間違いとも思わないけど、なるほどなーと思い、音楽のどこを聴くかというのは本当に人それぞれで面白いものだなとあらためて思いました。
 そんなことより今日の私は、この演奏会は「デヴィッド・ゲフィン・ホール(旧名エイヴリー・フィッシャーw)で、NYフィルの新・音楽監督が指揮をしている」という設定の妄想で聴いてみたんですが。やっぱり、かなりいいような気がしてきた。サロネン新監督。フィルハーモニアともいい感じなので、こんなこと言うのも何なんですが。NYのサロネン、いい感じだわー。近くに大好きなアポー・ストアもあるから、インストアもできるし。スカンジナビアン・クイジーヌもトレンドらしいし。どうすかね。